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クローズup PDホスピタル

2013年スマイル夏号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。

香川県

高松赤十字病院

患者さん自身の"治療に向き合う力"を引き出すとともに、地域の治療環境の整備を図る

開院から100年以上の歴史を持つ高松赤十字病院。「人道、博愛」という赤十字精神に基づき、高い公益性を有する中核病院として、地域からの厚い信頼を集めています。腎臓病治療においても、1980年に県内で他に先駆けて腎センターを設立、保存期から移植まで一貫した治療体制で診療に当たっています。

病院全体を巻き込んで、腎臓病の患者さんを発見する体制に

「香川県はうどんの消費量が多く、うどんに含まれる塩分の影響もあってか、慢性腎臓病(CKD)の原因となる生活習慣病が多く見られる地域です」と話す山中正人腎不全外科部長。高松赤十字病院は、四国で最初に透析治療を始めた施設ですが、数年前までは透析の緊急導入の割合が68%にも上っていました。

その対策のため、まず同院に他の治療で通院している患者さんの中に潜在するCKD患者を把握して、早期発見・早期治療を行うべきだとし、「CKD対策委員会」を立ち上げたのが2009年のこと。中谷美子南3病棟(腎センター・泌尿器科病棟一元化)看護師長が中心となり、組織づくり、仕組みづくりを開始しました。「病院全体を巻き込む必要があり、そのためには私たち看護師が潤滑油のように間に入って、チーム医療を機能させていかなければならないと感じました。調査に基づいて問題を明確化、CKD対策の重要性を院内のあらゆる関係者にプレゼンして回りました」と中谷師長。その結果、電子カルテで情報を確認しつつ、治療が必要な患者さんに適切なアプローチを行うことが可能になり、昨年の緊急導入の割合は26%を切るまでに改善されました。

山中正人腎不全外科部長(右)、中谷美子南3病棟看護師長(左) 山中正人腎不全外科部長(右)、中谷美子南3病棟看護師長(左)
左から、看護師の寒川晃弓さん、松岡馨さん、北山知美さん、山中部長、中谷師長、西山寛子さん、光宗仁美さん 左から、看護師の寒川晃弓さん、松岡馨さん、北山知美さん、山中部長、中谷師長、西山寛子さん、光宗仁美さん

PDファーストを基本に、時間をかけて患者さんに選んでもらう

同院は、香川県内で最大規模のPD導入・管理施設でもあります。山中部長は、「基本はPDファーストです。自尿が残っている内にまずはPDをやってみて、難しければ別の方法を検討すればよいという考え方です。PDは患者さんがご自分のペースで治療できますし、自尿が残っていれば食事制限も比較的緩やかなので、特に高齢者の方には食生活の面から見ても相性がよいと思います」と言います。また「当院では、保存期の治療、透析、移植がすべて行えますので、PD、HD、移植の良いところを使って治療を組み立てていくことができます」。

そして、療法選択の際には患者さん自身が熟考する時間が大切で、CKD対策委員会が取り組んできた早期発見・早期治療がそれに貢献しているそうです。「PDやHDなどの選択肢を前に、『じっくり考えてほしい』と伝えます。悩み、考える時間を取ることで、患者さんが自力で立ち上がり、治療に前向きになります。緊急導入ではこのような時間は取れません。患者さんと保存期から接点を持つことが、非常に重要なのです」と中谷師長。その間に看護師側も、患者さんの価値観や生き方などを理解して信頼関係を強めていくことが可能になり、その後の人生の支援者として力を発揮できるのだということです。

地域のPD受け入れ体制を積極的に整えていきたい

院内の体制が整った現在は、他病院や施設との関係構築が目下の課題です。山中部長は、「香川県も核家族化が進んで一人暮らしの方が多いのですが、独居のPD患者さんに対する院外の受け皿がまたまだ少ないのが現状」と話します。今後は訪問看護ステーションや老人ホームなどとの連携を強めるため、行政など関係機関にも積極的に働きかけていく計画です。「PDは患者さんご自身が治療する方法ですから、開業医や他の医療スタッフにできないはずがありません。PDは難しい、という先入観を取り払うことが重要です」と中谷師長は強調します。最後に山中部長は、「香川県民のため、5年後や10年後のことを考え、透析環境を少しでも良好に整えていきたいですね。家族が支えていた昔とは違い、これからは地域が患者さんを支えなければいけない時代なのです」と今後のあり方を、熱意を込めて語ってくださいました。

病院データ

高松赤十字病院

高松赤十字病院

  • 〒760-0017
  • 香川県高松市番町4丁目1番3号
  • 電話 087-831-7101(代表)
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