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クローズup PDホスピタル

2014年スマイル春号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。

栃木県

獨協医科大学病院

患者さんのライフスタイルを尊重し適切な情報提供を

栃木県壬生町の獨協医科大学病院は、1974年の開院。「特定機能病院」として地域医療の中核を担っています。腎臓病の診療を行っているのは循環器・腎臓内科。心血管系の合併症を持つことが多い慢性腎疾患の患者さんに対し、体の循環動態や血圧、体液コントロールも含めた全体的なマネジメントを行える点が強みです。

患者さんが主体的に治療に向き合えるように

中野先生(右)と乾さん(左) 中野先生(右)と乾さん(左)

「腎不全治療において、治療が画一的にしか提供できないことは問題」と話すのは、循環器・腎臓内科助教の中野信行先生。「緊急導入という状況では、医師は安全を担保する必要性から血液透析(HD)を優先せざるを得ません。一方、患者さんも透析導入直前に突然PDかHDか、などと言われても考える余裕もありません」と緊急導入の多さや、情報提供のあり方にも課題があると言います。「慢性疾患では、生活の中で治療をしながら病気とともに過ごします。ですので、医療者は保存期の頃から患者さんが何を考え、どういう生活を送っているのかを把握していく必要があると考えています。その上で、医師からの一方通行ではなく、患者さんが主体的に病気とその治療に向き合えるような情報提供を大切にしています。患者さんのライフスタイルに沿った療法選択も、このような中から可能になると思います」と強調します。

安心感をもたらすチーム体制

「患者さんの個々の生活に合致した診療を行うためには、包括的な医療体制の整備も重要です。医師が一人で現場を引っ張るのではなく、チームを組んで各スタッフの専門性や能力を集結させることで相乗効果が発揮され、患者さんに良質の医療を提供できます」と中野先生。

そこで同院では、一昨年の4月に看護師や管理栄養士、メディカル・ソーシャルワーカーなども含めたCKD(慢性腎臓病)チームを発足。その大きな特徴の一つは、4名の腹膜透析指導看護師(PDナース)によるサポート体制です。「透析部に1名、病棟に3名を配置し、療法選択から入院、退院後の外来まで同じ顔ぶれのナースが担当します。『外来に来るのが楽しみ』と言う患者さんも多く、安心感を持ってくださっていると感じます」と話すのは、看護師長の乾 寛美さん。部署を越えた柔軟な体制は、CKDに取り組む病院全体の姿勢の表れとも言えます。

また、患者さんが主体的に治療と向き合えるように、「腎臓病教室」も定期的に開催しています。ここでは疾患の話や生活指導、栄養指導などを行いますが、医師やPDナースがユーモアを交えて話をしたり、塩分濃度の異なる味噌汁を飲み比べ、違いを実感してもらうなど、体験型学習も取り入れています。「患者さんのニーズに合った情報提供をしていくことが大切なので、毎回アンケートを取って満足度や理解度を調査し、次に活かしています。患者さんが『自己管理、がんばろう』と思ってくださることで、私たちも幸せな気持ちになり、さらに良いものを提供したいと意欲的になれます」と、乾さんは教室の意義について話します。

個々の生活に治療を「なじませて」いく

PDについて、中野先生は「あくまでも集学的な治療の一つ」としながらも、特に、生活面でのメリットがあると言います。「例えば、週3回のHDからの透析導入では、いきなり生活が一変してしまいますが、PDで、段階的に透析量(交換回数)増やしていく方法で導入すると、医学的には残腎機能を保持しながら、生活の面では、変化が最小限でスタートできる、という大きなメリットがあります。生活に徐々に治療を『なじませて』いくことができ、保存期から自己管理を続けてきた患者さんに、非常に適した治療と考えます」。今後は、退院後の患者さんのサポートなど、PDをめぐる環境改善を視野に入れているほか、腎臓病教室を地域にも開かれたものにしていきたい考えです。

最後に、中野先生は「医学的な問題点や透析効率など、安全面は私たちが全力で担保します。患者さんには、ぜひご自分の希望に沿ったライフスタイルを実現してほしいと思います」と。また、乾さんは「自分だけで抱え込まずに私たちに相談していただいて、共にわかち合いながら、患者さんの"ご自分らしい生き方" にかかわっていけたら、と思います」とPD患者さんへの温かいメッセージを送ってくださいました。

循環器・腎臓内科 主任教授 石光俊彦先生(中央)とスタッフの皆さん 循環器・腎臓内科 主任教授 石光俊彦先生(中央)とスタッフの皆さん

病院データ

獨協医科大学病院

獨協医科大学病院

  • 〒321-0293
  • 栃木県下都賀郡壬生町北小林880
  • 電話 0282-86-1111(代表)
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