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患者の達人

2012年スマイル秋号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。

旅行が生活の励みに。
「旅で得る感動は、体にもよいと思います」

患者の達人

鈴木 才知代さん(53歳)

PD歴:3年、主婦
刈谷豊田総合病院 東分院

主婦として、ご主人の仕事のパートナーとして、多忙な日々を送る鈴木才知代さん。PD 治療を行いながら、趣味の旅行も楽しんでいます。

タイにて。象の背 に揺られて(左側が鈴木さん)

日中に活動したいから自由度の高いPDを選択

幼少時にネフローゼを患い、以後腎臓には注意を払ってきた鈴木才知代さんですが、徐々に腎機能が低下し、3年前から透析を始めることになりました。その際、一番気がかりだったのが時間のことでした。主婦業の傍ら、自営業であるご主人の仕事をサポートしていたからです。「銀行回りや買い物などがあり、1日おきの通院が必要な血液透析(HD)では不都合でしたので、先生と相談して腹膜透析(PD)を選びました」。

日中、自由に活動するため、1日4回の透析液の交換を夕方から明朝にかけて行っています。夕方の4時頃、夜の8時と12時、起床後の朝5時頃という一般的な交換パターンとは少し違うその理由をうかがうと、「もともと夜型で夜12時か1時頃までは起きている生活でしたから、これが透析を始める前と生活が一番変わらないパターンなんです。昼間はお腹に長時間貯留できる透析液を入れていて、交換がないので自由に過ごせます。自分の生活に合わせられるのがPDの魅力ですね」と。また、体調については、「透析を始めて、体が予想以上に楽になったので驚きました。少しずつ悪化していたので自覚できなかったのかもしれません」。以前は疲労感から満足に家事ができない時もあったとのことですが、PDを導入してからは体調もよく、家族で会話を楽しむ時間も増えたそうです。現在は週1回のHDも併用しながら体調を良好に保っています。

愛する旅を支えてくれる病院スタッフ、家族・友人に感謝

昔から旅行が大好きという鈴木さん。PDの導入後は特に生活の励みにもなっていて、「旅行に行くためなら日々の自己管理も頑張れる!」そうです。「日常からの解放感が旅行の魅力ですね。市場などで現地の人と肩を並べて歩き、その暮らしを感じることが好きなんです」と、PD導入後は、まず長野へ国内旅行、その年の暮れにはタイへ。続いて韓国や台湾、トルコ、今年は中国への旅を楽しみました。

「旅行を存分に楽しむには、念入りな準備が大切」というのが"旅行の達人"鈴木さんからのアドバイスです。「特に海外旅行は、荷物が届かなかったり旅程が伸びたりする可能性もあります。透析液やキャップなどの備品は、預ける物と手荷物とで分け、さらに余裕を持って持参するなど万全を期しています。毎回、荷物リストを作ってチェックも繰り返します」。

そして、「今回この取材をお受けしたのは、病院スタッフの皆さんへの感謝の気持ちを伝えたかったからです。海外旅行のために必要な事務手続きも、本来の仕事ではないのに、『私たちも勉強になるから大丈夫ですよ』と快く引き受けてくださる、その言葉が本当にうれしくて忘れられません。また、家族も一緒の時は透析液を分担して荷物に入れてくれますし、友人と行く場合でも親身に協力してくれます。本当にありがたいですね」と、周囲への心からの感謝の思いを話してくださいました。

最後に、最も印象的だった場所を尋ねると、鈴木さんはエジプトを挙げました。「初めてピラミッドを目にした時、感動で体が熱くなりました。旅行で得られる感動は体にもよい影響を与えると思います。できればもう一度訪れてあの感覚を味わいたいですね」。

病院スタッフからのメッセージ

刈谷豊田総合病院 東分院 腎・膠原病内科 医長 西尾 先生

私たちPDに関わるスタッフは、透析になりながらも、日々を前向きに過ごそうとされている鈴木さんの姿勢に感心しています。残存腎機能が少なくなってきたため週1回のHDを併用していますが、現在の治療方法が鈴木さんの体調にもライフスタイルにも一番合っていると思います。体調管理を維持してこれからもいろいろな国・地域へ旅行され、私たちに旅の感想を聞かせていただけるのを楽しみにしています。

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