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患者の達人

2013年スマイル夏号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。

ドクター、看護師さんの応援を受け、
ネパールでのコンサートを目指しています!

患者の達人

山谷 秀昭さん(62 歳)

PD歴:2年、大学講師
亀田総合病院 腎臓高血圧内科

長年、公務員として福祉に身を捧げ、現在は大学講師、ボランティア、シンガーソングライターとして活動を続ける山谷秀昭さん。その多角的で意欲的な活躍を、PDが支えています。

腎臓高血圧内科部長 望月先生(右)、同科 下村先生(左)はじめ、スタッフの皆さんと。入院中もサイレントギターで練習していた山谷さん。思いは熱いものがあります。

仕事・ボランティア・音楽 常に人のために24時間体制

JR君津駅に程近いビルにある地域に開かれた音楽スタジオ。ここの主である山谷さんの弾くギターの音色と、力強く澄んだ歌声が聞こえてきました。

「ヒマール(ヒマラヤ)の山 道なき道を村から村へ 歩きつづける つまずき倒れ傷ついても ネパールのパサ(友人)は歩きつづける・・・」(「PASA(友)/長い道」)

山谷さんは自作のこの歌を、「ぜひネパールで歌ってほしい」という現地の友人の求めに応じ、来年3月、ネパールを訪問する予定です。「ドクター、看護師の皆さんの理解と励ましで行くことを決意しました」と、瞳を輝かせます。

公務員時代の山谷さんは児童福祉一筋。ほぼ24時間体制で子どもたちのために尽力してきました。「食事は仕事の合間にかき込むようにして食べ、仲間との飲み会も毎回参加。さらには、PTAや子ども会の世話役も買って出ていました。自分のエネルギーはどこまでもあると思っていましたね」とその頃を振り返ります。

体に異変を感じたのは、55歳を過ぎた頃。以前から糖尿病がありましたが「がんばれば治せる!」とそれまでもやっていたフルマラソンやスキーにさらに力を入れる、という調子。しかし、かかりつけ医から狭心症と診断され、次第に体調は悪化、59歳で早期退職しました。それでも地域の活動やボランティアに力を注ぎ、忙しさは相変わらずの状態でした。

さらに、東日本大震災が起きるとすぐさまボランティアに。「その頃、仲間から『その手足のむくみはひどいよ。とにかく一度大きな病院へ行った方がいい』と強く言われて、友人の勧める亀田総合病院へ行くことにしました」。2011年5月でした。

入院時の学びを現在も自己管理に活かす

「即入院、即検査でした。結果、腎臓の機能は7%。腎臓が悪いとわかったのはその時が初めてでした」。すぐに透析導入の準備に入ることになり、山谷さんはPDを選択します。「各治療法の詳しい説明を受けました。感銘を受けたのは、『今後の私がどういう生活をしたいのか』とQOL(人生の質)を、病院側の誰もが考慮してくださることでした。その中で、私にはPDが向いているのではないかと思ったのです」。

入院中、山谷さんには多くの気づきがありました。「食べ物には味があることを発見しました。何もつけなくても、ゆっくり噛みしめると味がします。それから睡眠。3食キチンと食べて夜は寝る、仕事はその合間に。それは、今も忘れないように気をつけています」。退院後、友人からの勧めもあり、「入院体験を活かして、病院への恩返しになれば」と、看護大学で社会福祉学の講師も始めた山谷さん。朝6時起床、お腹の中の透析液を夕方排液、夜9時に夜間行うAPDをセットして就寝というスケジュールの合間に、町づくりの会、福祉サービス第三者評価委員、演奏活動等、忙しくも充実した毎日を送っています。

「ネパール行きは、先生や看護師さんから反対されると思っていましたが、『それがあなたにとって大切なことであれば、応援しますよ』と言ってくださっています。私も来年3月をただ待つのではなく、それまでに100回のコンサートを開くことを目標に、一歩一歩積み重ねてその時を迎え、有意義なものにしたいと思っています」。どこまでも明るく前向きな山谷さんを、ネパールの人々も温かく迎えてくれることでしょう。

病院スタッフからのメッセージ

亀田総合病院 腎臓高血圧内科部長 望月 隆弘 先生

山谷さんは、大変人間味のある魅力的な方です。音楽の話や、未開の地域でのボランティアの話など熱く語る姿には、PDをハンディキャップと思わせないエネルギーが感じられます。また昨年、PDセミナー(自己管理・社会復帰を目的とした患者旅行)に参加していただきました。山谷さんはPD開始後初めてのセミナーでしたが、懇親会では、プロ顔負けのギター演奏と弾き語りでスタッフ、患者さんともに大感動の一夜でした。「ネパールでのギター演奏」は山谷さんだけでなく、病院スタッフやPD患者さんにとっても大きな夢の実現です。希望に向かって走り続ける山谷さんをみんなで全面的に応援しています。めざせネパール!

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