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患者の達人

2014年スマイル秋号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。

計画を立てているだけで
元気になります!
PDで世界中を旅したい

患者の達人

田窪 玲子さん(58歳)

PD歴:1年3ヵ月、主婦
愛媛県立中央病院 腎臓内科

これまでに24ヵ国以上を旅してきた田窪さん。PDを選んだ理由も長期の旅行ができるということが一番だったとか。スマートフォンを駆使して、精力的に旅を楽しんでいます。

かつてご主人と旅したスイスのルツェルンには「ぜひ、もう一度行きたいです!」

PDに適した船旅

アルベロベッロで、同行の友人たちと。全員で、田窪さんの透析液を分担して運んでくれた。 アルベロベッロで、同行の友人たちと。全員で、田窪さんの透析液を分担して運んでくれた。

昨年6月に腹膜透析(PD)を導入した田窪玲子さん。PDを選択した理由を「何より旅行ができるから」と話します。元々、大の旅好きで、お子さんが小さい時には国内旅行を、子育てが一段落した後はご主人と海外旅行を楽しむようになりました。「主人は肝臓が悪かったので、元気なうちに夫婦の時間を持ちたいと思い、いろんなところに行きました。その主人も4年前に亡くなり、ずっと子どものために節約もしてきましたけれど子どもたちも一人前になったので、気持ちを切り替えて、それなら私が全部使って世界中を見て回ろうと思ったんです(笑)」。

PD導入後、体調が落ち着くと、さっそく旅に。最初は東京、次に客船「飛鳥」での1泊旅行と徐々にバージョンアップ。11月には娘さんとハワイ旅行、1月はシンガポール、4月は10泊11日のイタリア旅行と実に精力的です。お気に入りはクルーズ。現地までは飛行機で行き、各都市を船で巡ります。停泊地での観光は4~5時間なので、PDの合間にちょうどよく、しかも透析液は船に運び込んでいるので、荷物にもなりません。

「イタリアは大学時代の友人と4人で行ってきました。ベニスまでは飛行機で、そこから船でオリンピック発祥の地のカタコロン(ギリシャ)、世界遺産のアルベロベッロ(イタリア)、イズミール、イスタンブール(トルコ)を回りました。船はマイペースで過ごせるからいいですよ。移動中も自分の船室でバッグ交換ができますし、疲れたら部屋で休めます」と船旅の魅力を語ります。現地でもスマートフォンのナビや翻訳アプリを駆使して、「現地の人とのやり取りが楽しいです」と、楽しいエピソードが次々と溢れ出てきます。旅の楽しみの一つでもある食事はどれも一口だけ味わうそうで、「残すことも大事と思っています」と体調管理も忘れません。

「旅行が終わると少し疲れてシュンとします。でも、次の旅行のことを考えるとまた楽しく元気になるんです!」という田窪さんです。

「一病息災」が座右の銘

後列左から、主治医の神崎資子先生、坂井看護師。前列右、兵頭看護師 後列左から、主治医の神崎資子先生、坂井看護師。前列右、兵頭看護師

腎臓に最初に問題が出たのは30年程前。妊娠中毒症になり、尿にたんぱくが出たのです。その後も気をつけてはいたそうですが、多忙なご主人を支えながらの子育て、お母様のお世話に加え、ご自身の仕事もあり、寝る間もないほどの生活でした。15年程前に糖尿病も発症。食事療法などに取り組んできましたが、昨年透析が必要になりました。「PDになったことを、『災い転じて福となす』と感じています。おかげで食事により気をつけ、疲れたらブレーキをかけ、休むようになりました」。

一方では、「病気でもがんばれる」と田窪さん。家庭菜園で野菜を作ったり、ボランティア活動を行ったりと充実した毎日です。さらには、地域のお年寄りを支援するNPOを立ち上げたいという目標もお持ちです。「これは、将来血液透析(HD)になって病院に通いながらでもできるでしょ」と、こちらも田窪さんの生きがいになることでしょう。「"一病息災"を座右の銘に、無理をせず、好奇心を持って楽しくがんばりたいと思います」と、輝く笑顔を見せてくれました。

病院スタッフからのメッセージ

愛媛県立中央病院 腎臓内科医長 神崎 資子 先生

田窪さんは、ご本人の強い希望があり、腹膜透析を選択されました。導入期こそ、排液不良に悩まされ、導入後3ヵ月で大網巻絡のため再手術という受難が続きました。本当に大変な導入期でしたが、見事に乗り越えられ、現在では人生を謳歌していらっしゃいます。国内旅行はもとより、ハワイ、シンガポール、イタリア、ヨーロッパ一周など世界を飛び回り、透析治療のハンデをものともしない強者ぶり! 楽しそうに旅行の報告をしてくださる田窪さんを見ていると、腹膜透析が軌道に乗ってよかったと心から思います。これからも田窪さんらしく、人生を楽しんでくださいね。一同応援しています。

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