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患者の達人

2014年スマイル秋号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。

父子でPD導入。
"お出かけ大好き"の生活は、
これまでと変わりません

患者の達人

富井 康雄さん(90歳)

PD歴:7ヵ月(写真左)
聖隷富士病院 腎臓内科

富井 年章さん(66歳)

PD歴:6ヵ月(写真右)
富士市立中央病院 腎内科

今年90歳になった富井康雄さんにとって年章さんは娘婿。自宅も隣同士です。ともにすでに仕事はリタイア。今年、二人は相次いで透析導入となりましたが、四世代で一家仲よくにぎやかに暮らしています。

お二人とも口から出るのは、家族への感謝の言葉。仲のよいご一家です。

それぞれのPD導入

康雄さんが医師から「腎臓が弱っていますね」と指摘を受けたのは一昨年のこと。1年程経って、「ご高齢なのでご自宅でできる腹膜透析(PD)がいいのでは?」とのアドバイスでPDの導入を決めていました。それが、昨年12月半ば心筋梗塞で倒れ、2週間意識不明に。その間、緊急の血液透析(HD)を導入しましたが、以前からの計画通り、PDのカテーテルを入れ、手技を習得して退院しました。「元々仕事が機械関係だったので、覚えるのも早かったと思います。看護師さんがびっくりしていましたよ(笑)」。

一方、年章さんは20年程前、腎臓結石を破砕しましたが、その後約10年間放置してしまい、健診で指摘を受けました。3年前からは急速に悪化、加えて脳梗塞を発症。さらに、その1年後には心筋梗塞と大変な時期が続きました。そして今年3月、PD導入に。「何より自宅でできるということで迷わずPDを選びました。まだまだ"新人"です。触れてはいけないところに触ってしまったり、液を間違えたり…」。でも、同じ失敗を繰り返すことはないそうです。

お二人の1日は?

左から主治医の内田光一先生、富井康雄さん、三谷看護師、秋山看護師 左から主治医の内田光一先生、富井康雄さん、三谷看護師、秋山看護師

康雄さんは、まず夕方5時に透析液を入れ、夜9時に排液してから長時間貯留の透析液を入れます。そのまま就寝し、朝7時に排液した後は夕方までお腹は空です。PDを始めてから「体調がよくなりました!」と笑顔がこぼれます。食欲も出て、2週間に1回の診察でも「先生から『順調です。異常ありません』と言われるんですよ」とうれしそうです。手技は人の手を介さず、すべてご自分で行っています。

年章さんは、午前5時半から1回目のバッグ交換。10時に2回目を行います。午後2時には排液のみ。その後は夜9時に長時間貯留の透析液を入れる、というスケジュールです。心筋梗塞の治療前は歩くこともできなかったそうですが、今は早朝の散歩を楽しめるまでに。「時間を束縛されずに家で透析ができるのがうれしいですね」。

行動範囲は以前のまま

前列左から主治医の勝俣陽貴先生、富井年章さん、笠井健司副院長、宇田川崇副部長とスタッフの皆様 前列左から主治医の勝俣陽貴先生、富井年章さん、笠井健司副院長、宇田川崇副部長とスタッフの皆様

富井さん一家は揃って外出が大好き。しばしば東京まで買い物や観光に出かけます。それは、お二人のPD導入後も変わりません。「東京まで高速で1時間半と近いので。私は途中、バッグ交換がありますが、父は日中お腹が空で、帰宅してから透析液を入れればよいので、出かけやすいんです。そういった意味では、生活は変わっていませんね」(年章さん)。康雄さんの奥様のとよ子さんも「春には隅田川の川下りをしたり、埼玉にいるひ孫に会ったりしてきました」と一家団欒の様子を話してくださいます。

お祭りの時などは、お孫さん、ひ孫さんまで総勢何と21人が集結! さらに必ず家族以外のお子さんも混じっているとか。富井家の温かさが伝わってきます。「少しでも長くPDを続けたいのが今の願いです。旅行にも行きたいですし…」と年章さん。康雄さんは「先生から教わったことを確実に真面目にやって、できるだけ元気で楽しく生きていきたいですね」と今後の希望をそれぞれ語っておられます。

病院スタッフからのメッセージ

財団法人恵愛会 聖隷富士病院 院長補佐/人工透析センター長 内田 光一 先生

富井康雄さんはご高齢ですが、日常生活も自立していますので、QOLを低下させないため、PDを勧めました。身体活動も多くはないため、1日4回ではなく、2回の交換です。ご家族にもうひとりPDを行っている方が居るのは偶然ですが、お互いの励みになるのではないかと思っています。富井さんのみならず、ご高齢の方にはPDが第一選択になるのではないでしょうか。

富士市立中央病院 副院長/腎内科部長 笠井 健司 先生

富井年章さんは療法選択外来で透析の説明を受けた後、すぐにPDを選択されました。このたび、お父様もPDとお聞きして、なるほどよくご存じだったわけだと合点がいきました。ときにHDの患者さんは数時間ベッドの上で拘束されることの大変さを口にされます。富井さん親子には自由で快適な透析ライフを過ごしていただきたいと願っています。

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