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患者の達人

2014年スマイル夏号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。

家族と草花に囲まれ
「今が一番幸せ」と感じる日々

患者の達人

犬飼 正子さん(79歳)

PD歴:2年11ヵ月、主婦
名古屋掖済会病院 腎臓内科

「自由広場」にたびたびお便りをお寄せくださる犬飼正子さん。ご主人と息子さん夫婦、お孫さん2人のご家族に囲まれ、暮らしています。「私は楽しい人生を送った」という犬飼さんは、"人生の達人"でもありました。

実家のご両親が身をもって教えてくれたという"人に優しく"。これが、犬飼さんの財産だといいます。

清潔と減塩で、体調は良好

主婦業の傍ら、社員食堂の調理人を経て、自動車シートの縫製に長年携わってきた犬飼さん。60歳でご主人のお父様の介護のため退職しましたが、その後も内職として続け、今でもミシンは大の得意。家族の衣類などを作っています。嫁いだ当初は11人の大家族で、犬飼さんは仕事に家事に、と忙しい日々を過ごしてきました。

PDを導入したのは3年前の7月。実は4月までは腎臓について指摘を受けたことがなかったそうです。「血圧の薬は飲んでいましたが、ほかはどこも悪くなかったんです。でも、やせてきたのでお嫁さんが心配して、今の病院に連れて来てくれました。そうしたら透析の一歩手前と言われて…」と当時のことを振り返ります。「先生から『あなたには腹膜透析(PD)がお薦めですよ』と言われて、PD導入になりましたが、最初は清潔にしなくてはということで頭がいっぱいで。1年ぐらいしてやっと慣れました」。今でも清潔には一番気をつけていて、導入以来、出口部は常にきれいな状態を保っているそうです。

食事の面では調理人だった頃の経験が生きています。「栄養士さんが出してくれた分量をもとに作っていたから、この味だと塩分量はこのくらいということが感覚でわかるんです。今は薄味に慣れて、塩辛いものが食べられなくなりました」。

これら、日々の努力で体調は良好です。「先生から『尿がコップに1杯くらい出れば大丈夫』と言われているけど、そのくらいは十分出ているの。たくさん出た時は手を叩きたくなるくらいうれしくて…」と、笑顔で話します。

"夫婦は年いってから夫婦"

(先生方と)左から、腎臓内科宮城先生、主治医の常世田先生、犬飼さん、辻本先生 (先生方と)左から、腎臓内科宮城先生、主治医の常世田先生、犬飼さん、辻本先生

犬飼さんの1日は家族6人分の洗濯から始まります。なんと1日3回洗濯機を回すとか。朝、目が覚めたら気功で習った手足の運動をして、まず洗濯機をスイッチオン。7時半に朝食。9時に透析液を出し入れします。その後は、午後1時に出し入れし、夕方4時に排液して、9 時に再度注液するまでお腹は空です。

その間、洗濯、掃除、食事の仕度、庭で花作りをしたり、絵手紙を書いたり「忙しい」と犬飼さんは笑います。でもさらにこれから、ちぎり絵にも挑戦したいそうです。年に1度は、実家の7人姉妹揃っての集まりなどもあり、それも心待ちにしています。「今が一番幸せ。若い時は苦労しなくてはね。そうしたら老後は楽しくなりますよ」。

「嫁も孫も優しいし、息子も、私が読書が好きだから本を買ってきてくれるの。それを透析液の出し入れの時に読むのが楽しみ」と、家族に囲まれ充実した日々を送っている様子の犬飼さん。特にご主人とは「けんかをしたことがない」というほどの仲の良さです。「真面目で堅物だけど、透析液をいつも温めておいてくれる心の優しい人です。夫婦は年がいってからが本当の夫婦。一緒に長生きするの。1人になったら寂しいでしょう。できるだけ長くPDが続けられるようにして、支え合って生きていきたいですね」と、穏やかな笑顔で語ってくださいました。

病院スタッフからのメッセージ

名古屋掖済会病院 腎臓内科 常世田 智明 先生

犬飼さんはスマイルの常連で、PD患者の鑑のような方です。70歳代後半とは思えないほど、気功で鍛えたピンとした姿勢でハツラツとされています。PET入院の時も6階の病棟まで階段です!(エレベーターを使う研修医も多いんですよ(笑)) おしゃれにも気を遣っていて、いつも綺麗にされて外来にみえます。ミシンも得意でカテーテル収納袋も手作りで何種類もあります♪ ご家族にも大切にされていて、お嫁さんやお孫さんと名古屋港水族館やナゴヤドームに行かれた話など伺い、とても幸せそうです。庭で育ててらっしゃる花と同じぐらい人生を輝かせている犬飼さんは素敵です!

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