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患者の達人

2014年スマイル冬号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。

PDは自分がやりたいことを
あきらめなくて
よい治療。
毎日が楽しくなりました

患者の達人

吉村 律子さん(59歳)

PD歴:6ヵ月、主婦
大分赤十字病院 腎臓内科

30代前半、第三子の出産後に糖尿病と診断された吉村律子さん。その後、39歳で糖尿病性網膜症、49歳でご主人を心筋梗塞で亡くした直後、自らも心筋梗塞になるなど、次々と合併症に襲われました。

初めてのこと(手技)を覚えるのは楽しかった。たまにはミスもあるけれど、それも楽しんで暮らしています。

病気の自覚なく、三大合併症に

幸い網膜症の手術は成功、心臓のカテーテル治療も数回を重ねて症状が落ち着いたこと、加えて子育てや仕事の忙しさもあり、生活習慣の改善までには至らずに過ごしてきました。薬だけはきちんと飲んでいたものの、数年前から、クレアチニン値が1に。それでも自覚症状がないことから、それまで通りの生活を続けていました。「今考えると、病気への自覚と理解がなかったのですね」と吉村さんは反省を込めて振り返ります。

昨年になってクレアチニン値は2から4へと急激に上がり、体調も悪化。食事後2時間くらい休まないと次のことができないような状況に陥ってしまいました。「透析も近いですね」との医師の言葉に驚き、落ち込みました。「透析には暗いイメージしかありませんでした。これからのことが考えられなくなりました」。

それまで血液透析(HD)のことしか知らなかった吉村さんに治療法として医師から示されたのは、まったく知らなかった腹膜透析(PD)。「家にいられる…、時間の猶予をもらった気がしました」と吉村さん。そこから一念発起。昨年5月にお腹にチューブを入れましたが、すぐに導入とならないよう、食事のコントロールに取り組みました。1年間がんばって、PD開始は今年5月。「遅かったかもしれませんが、自信がつきました」と言います。入院中、PDの手技練習もまずマニュアルを見ながら、次に何も見ずに手順をノートに書き出す、という学生時代からの勉強法で習得していきました。

訪問看護の利用で気持ちも楽に

左から、曽根崎看護師、下川看護師、吉村さん、副院長 金田幸司先生、副田看護師長、吉田看護師 左から、曽根崎看護師、下川看護師、吉村さん、副院長 金田幸司先生、副田看護師長、吉田看護師

そして、いよいよ退院というとき、看護師長から勧められたのが訪問看護の利用です。手技はしっかり習得したつもりでしたが、実際に自宅で一人でうまくいくだろうか…と、心の中に少し不安があったのも事実でした。「こんなにうれしいことはない、と思いました。次の通院までの間に、訪問看護の方に聞けるので、わからないことを早く解決することができます。自信がなかったくり~んフラッシュの掃除の仕方も、はじめは一緒にやっていただき、次に一人でやっているところをチェックしてもらってマスターできました。また、むくみがないか、また食事の相談も細かいところまで聞けますし、何より気持ちの面で楽になります。本当にありがたいです」。

就寝中に透析を行うAPDを選んだ吉村さん、日中は長時間貯留の透析液を入れたままで、自由に活動することができます。「PDをするようになって思うのは、これまで病気に支配されていた、ということです。病気とのつきあいは変わらないけれど、『外に出たい』と思い、実際に外に出られるのです。以前は動くことも大変で、友人たちに家に来てもらっていました。今は一緒に外出し、たまには外食もできます。そして、また働きたいな、という思いにもなっています。生活も気持ちも180度変わりました」と瞳を輝かせながら話します。

最後に吉村さんから読者の皆様へのメッセージです。「これを読んでくださる方々も、素晴らしい医師、看護師さんと出会っていることでしょう。私もその一人です。先生方と離れずに治療に専念していきましょう。PDは自分がやりたいことをあきらめなくてよい治療です。一緒にがんばりましょう!」

病院スタッフからのメッセージ

大分赤十字病院 副院長 金田 幸司 先生

吉村さんは、透析導入にあたって、日常生活に制限が少ない方法をと、PDを希望されました。透析を始める前には、水分のコントロールに苦労していた時期もありましたが、現在では、食事の管理や出口部のケアもしっかりされ、順調にPDを継続できています。当院では、患者さんにPDを安心して始めてもらえるように、訪問看護師を積極的に活用し、自宅での療養環境の確認や不安の軽減に取り組んでいます。このようなことも、吉村さんのスムーズなPD治療のスタートにつながっているのかもしれません。これからも体調管理に気を付けながら、日々の生活を楽しんでください。

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