1. 腹膜透析(PD)情報サイト トップ
  2. 快適な腹膜透析(PD)ライフのための情報誌「スマイル」
  3. 患者の達人
  4. 囲碁大会で見事優勝!趣味も透析も生活の一部

患者の達人

2015年スマイル秋号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。

囲碁大会で見事優勝!
趣味も透析も生活の一部

患者の達人

尾潟 満博さん(64歳)

PD歴:3年3ヵ月
JA新潟県厚生連 佐渡総合病院

旅行と車の運転が好きで、囲碁をこよなく愛する尾潟さん。その実力は、佐渡全島からの参加者で競われる「佐渡天元戦」三段の部で優勝するほどの腕前です。PDを行いながら、長丁場の大会を勝ち進んだ尾潟さんに、詳しくお話を伺いました。

PDを始めて体調が回復禁煙も継続中

尾潟さんは、奥様の順子さんと95歳のお母様、息子さん夫婦、お孫さん2人の、7人家族で暮らしています。奥様とは、今でも「順ちゃん」「みっちゃん」と呼び合う仲の良いご夫婦です。

尾潟さんが腎臓を悪くしたのは56歳の時。50歳から患っている糖尿病が原因でした。その後、主治医から近い将来透析が必要になると言われましたが、公務員として働いていた尾潟さんは、定年退職するまでは絶対に透析をやらないと言い張っていました。奥様の順子さんは、なかなか医師の助言に耳を貸さない尾潟さんに対して「体が痩せてほおがこけ、心配で仕方がありませんでした」と当時を振り返ります。

尾潟さんも「旅行も行きたかったし仕事も忙しく、治療中心の生活なんてできませんでしたね」と苦笑い。

そんな尾潟さんに主治医は、日常生活への支障が少なく旅行もできるからと腹膜透析(PD)を勧めてくれました。奥様の順子さんも一緒に病院に足を運び何度か説明を受けたそうです。「旅行もできて趣味の囲碁も続けられると聞き、迷わずPDを選択しました」(尾潟さん)。

2011年3月31日に無事定年退職を迎えた尾潟さんは、「まるで転勤だった」とおっしゃるように、翌日の4月1日に入院し、カテーテルを留置する手術を受けました。PDを実際に始めたのは翌年の3月。その間、夢の海外旅行とはいきませんでしたが、奥様と2人で、九州への旅行を楽しまれたそうです。

PDを始めてから体調はみるみる良くなり、痩せ過ぎていた体重は18キロ増えました。しかも、入院をきっかけに始めた禁煙は今も続いているとのこと。奥様の順子さんも「ここまで回復したのはPDのおかげです」と少し安心されたご様子です。

後列左から本間純子さん、中川恵子師長、笹木彩恵子さん 前列左から保川亮太先生、尾潟さん、和田真一先生 後列左から本間純子さん、中川恵子師長、笹木彩恵子さん 前列左から保川亮太先生、尾潟さん、和田真一先生

食事をするのと同じように生活の一部にPDがある

尾潟さんの趣味は囲碁。28歳の時、転勤先で囲碁道場に通ったのがきっかけで本格的に始め、現在は三段の腕前です。優勝した「佐渡天元戦」までに、PD開始後2回の大会に出場しましたが、その度に困ったのが『バッグ交換のタイミング』。普段は、8時、13時、18時、22時に行っているバッグ交換の『13時』が対局の時間に重なってしまうのです。「時間を調整して、早朝に1回目、外出前に2回目、3回目は夕方帰宅後にすれば、日中は囲碁に集中できると考えました。そこで、一昨年は午前3時、昨年は5時に1回目を行ったのですが、前日から早朝に起きられるかが心配で眠れず、結果も奮いませんでしたね」と振り返ります。

そこで今年は大会の会場となった「佐渡島開発総合センター」の保健師さんに、お昼休みにバッグ交換ができる場所を確保できないかと事前に相談したところ、「尾潟さんみたいに病気をもった方が頑張るとほかの人にも励みになる」と、快く会場の隣の和室を貸してくれました。バッグ交換の場所を確保できたことで安心した尾潟さんは、「おかげで大会前日はグッスリと眠れ、ストレスなく対局に臨めました」。その結果、見事に優勝。保健師さんにも嬉しい報告ができました。今後の目標は五段に昇段することだそうです。

尾潟さんのモットーは、"食事や趣味といった生活の一部にPDがあり、決してPDで余った時間に生活をするのではない"ということ。「皆さんも、仕事や趣味、社会参加と、さまざまな時間を楽しんでほしいですね」と、笑顔で語ってくださいました。

奥様の順子さんと 奥様の順子さんと
病院スタッフからのメッセージ

JA新潟県厚生連 佐渡総合病院 腎・透析・膠原病内科 内科医長 和田 真一 先生

私が担当し始めた時、尾潟さんはすでに末期腎不全。食事療法で腎臓を治してほしいと難題を突きつけられたり、奥様と診察室内で言い争いをしたり、と大変苦労しました。しかしPDを選択された後は、楽しみにしていた旅行に行くこともでき、治療に慣れてくると元の優しい尾潟さんに戻られ、安堵した覚えがあります。PDは尾潟さんにぴったりの選択でしたね。

腎・透析・膠原病内科 内科医長 保川 亮太 先生

島内で透析ができるのは当院のみで、通院に1時間半かかる方もいる地域ですので、PDをより活用できればと考えています。尾潟さんは、高齢のお母様もおられ、通院が少ないPDが合っていると思います。時にはむくみが出たりすることもありますが、これからもお元気で囲碁を続けてほしいですね。

ページトップ