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患者の達人

2019年スマイル春号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。

朝夕1時間ずつの草取りが日課じっと座っているより調子がいい

患者の達人

小林 ハツさん(86歳)

PD歴:7年4ヵ月
東京慈恵会医科大学葛飾医療センター

86歳の小林ハツさんは、現在、お母様思いのやさしい息子さんと2人で暮らしています。ご高齢ながらご自身で腹膜透析(PD)を行い、家庭菜園の手入れやお気に入りのテレビを見る生活で「結構忙しいのよ」と笑う小林さんのPDライフをお伺いしました。

透析を開始したことで体調不良が解消され
快適な毎日を送れるように

8年前の大晦日、座っていられないほど体がだるくて近医を受診したところ、高カリウム血症と診断され、その場で入院することになった小林さん。健診で高血圧や蛋白尿を指摘されたことはありましたが、腎臓病の自覚はありませんでした。突然、透析が必要と告げられ「透析がどのようなものか知らなかったけれど、あの気持ち悪さから解放されるのなら透析をしてもいいと思った」と当時を振り返ります。その後、親族が勤務する東京慈恵会医科大学葛飾医療センターに移り、治療を行うことになりました。

透析の導入に当たり、血液透析(HD)とPDの説明を受け、血管が細くてシャントに向いていないという主治医の判断もあって、PDを選択。透析液の交換手順を覚えるのは大変だったそうですが、看護師の手助けを受けながらマスターして退院、自宅で1日2回の交換を行う生活が始まりました。初めのうちは心配で毎回息子さんに見守ってもらいながら1時間ほどかかっていた交換も、慣れてくると40分程度でできるように。透析の導入後は体調が回復してご飯をおいしく食べられるようになり、布団に入れば朝まで目が覚めないほどぐっすりと眠れるようになったといいます。

また、娘さんと箱根や熱海、成田山などへの旅行を楽しむ余裕もできました。「朝、家で透析液を交換してから出かけ、夜は旅館で交換しました。S字フックがあれば、たんすやハンガーラックなどに透析液を掛けられて便利です」と旅の工夫も教えてくれました。

スタッフの皆さんと。左から池田先生、小林さん スタッフの皆さんと。
左から池田先生、小林さん

快適なPDライフのために自分なりの工夫を

順調にPDライフを送っていた小林さんですが、一昨年、腹膜炎を患ってしまいました。自宅がリフォーム工事中でそのホコリが原因と思われました。「手洗いが肝心。消毒だけでなく、石けんで洗った方が気持ちがいいし、腹膜炎になってからは特に清潔にするようにしているの」と日々注意して、腹膜炎は一度きりです。

透析液の交換はテレビがある部屋の押し入れ前の一画で行っていて、押し入れを開けると必要な道具が全てそろっています。交換中はお気に入りのテレビ番組「水戸黄門」や吉田類の「酒場放浪記」を見て過ごします。また、交換操作を気にせずゆっくり見たいときには、交換の時間を少しずらして調整しているそうです。

小林さんの日課は庭の草取り。小林さんが庭に姿を見せると、近所の人が5~6人集まってきて、会話が弾み、ときには、おしゃべりだけで時間が過ぎてしまうこともあるそうです。「家の中でじっとしているとかえって腰が痛くなる」と、朝夕1時間ずつの草取りは、健康維持に欠かせない日課になっています。家庭菜園では、キュウリ、トマト、ミョウガ、シソ、トウガラシなど季節の野菜を育てています。取れたてのおいしい野菜を大好物の漬け物にし、塩分に気を付けて少しずつ食べているそうです。

足腰に自信がなくなってきたことや腹膜炎を機に交換が1日3回になったこともあり、最近は旅行の機会が減ったそうですが、「演歌歌手の福田こうへいさんのファンで、田舎から兄弟姉妹を呼んで一緒にコンサートに行くのを楽しみにしているのよ」とうれしそうに語る小林さんでした。

ドクターからのメッセージ

東京慈恵会医科大学葛飾医療センター
腎臓・高血圧内科診療部長 池田 雅人 先生

小林さんが透析を7年以上も継続されているとは、本人に聞かなければ誰も想像できないぐらい若々しくて、ハキハキ話される、いつも明るく前向きな方です。透析開始時と比べて少しもお変わりなく、むしろ現在の方がお元気な小林さんの笑顔のおかげで病院スタッフもいつも癒されています。小林さんは自己管理が上手でCAPDに向いている方だと思います。毎日のCAPDバッグ交換と出口部の消毒を欠かさない真面目な姿勢が健康維持の近道なのですね。このままずっと幸せなCAPD生活を続けられるよう、病院としても精いっぱいサポートしていきますので、何かあればすぐに連絡してくださいね。

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