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クローズup PDホスピタル

2020年スマイル冬号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。

群馬県

群馬県済生会前橋病院

医師、看護師、臨床工学技士などの多職種連携で
利根川西部地域の腎臓病治療を担う

「済生」の精神と「愛と希望」の理念にのっとり、地域の拠点病院として医療、福祉を提供している群馬県済生会前橋病院。血液透析(HD)、腹膜透析(PD)を中心に血漿交換や持続的血液濾過透析など幅広い血液浄化療法に対応しています。同院で新規に透析を導入する患者さんは年間40人ほど。現在はおよそHD110人、PD10人の患者さんの維持・管理を多職種のチームで行っています。

まずは患者さんの生活背景を知ることから

前列左から三島敬一郎先生、金井さん、木村先生、半田広海先生、馬場正仁先生と腎臓リウマチ内科、透析センターの皆さん 前列左から三島敬一郎先生、金井さん、木村先生、半田広海先生、馬場正仁先生と腎臓リウマチ内科、透析センターの皆さん

腎臓病治療において「適切な診断を行うために腎生検を適宜行い、保存期の教育入院や看護師による療法選択外来にも力を入れています。初期段階から腎代替療法に至るまで切れ目なく、生活の質を落とすことのない全人的な医療の提供を目指しています」と語るのは腎臓リウマチ内科の木村隼人先生。腎代替療法の選択に当たっては、医療者と患者さんが互いに情報を共有し合いながら一緒に治療を決めていくSDM(Shared Decision Making)の考えを採用しています。

同院の療法選択外来の特徴は、治療法の説明を行う前に、しっかりと患者さんの生活背景を聞く時間を設けていること。透析センター看護師の金井陽子さんは「まず患者さんの生活環境や家族内での役割、趣味や大切にしていることなどを細かくお聞きします。その後、腎代替療法の説明を行い、どのように感じたかを確認します。患者さんは孤独になりがちですので、不安なことはなんでも話していただけるよう心がけています」と話します。

療法選択外来の前後には、主治医とスタッフの間で患者さんに関する情報共有を行います。木村先生は「治療を始めた後でお互い『こんなはずじゃなかった』とならないよう、患者さんの生活をしっかり把握し、その方にとってのメリットを踏まえて治療を提案することが重要だと考えています。そのためにも、主治医とスタッフでの情報共有や、患者さんに治療をポジティブに捉えてもらえるような分かりやすい説明が大切です」と言います。

患者さん同士で話し合う
ピア・ラーニングの手法が有用

また、同院では患者さん同士で話す機会を提供するピア・ラーニングの手法も取り入れています。「2年ほど前、救急搬送でHDを緊急導入し、その後の治療法を検討していた30歳代の患者さんに、同じ職業のPD患者さんと話をしてもらったのがきっかけです。PD患者さんも『自分が導入するときは1人で不安だったので、ぜひお手伝いしたい』と快諾してくださいました。仕事中のバッグ交換や入浴方法など、実際に行っている患者さんの経験談は説得力があり、不安が和らいだそうです。それ以来、希望者を中心に続けています」と金井さん。HDに関しても、希望者にはHD患者さんと話したり、透析を行っている様子を見学したりする機会を設けています。

PD患者さんを地域・院内の連携で支える

自宅でのPD治療をサポートする手段として、訪問看護ステーションと連携している同院。透析療法に精通し熱意あふれる訪問看護師の協力が得られ、心強いと話す木村先生。「小さなトラブルで病院に連絡するのを躊躇する患者さんも、訪問看護師さんには電話しやすい。さらに多くの施設と連携を取ることに加え、今後は地域の開業医の先生方との連携も進めていきたいと考えています」。

病院内での多職種との連携にも積極的です。医師、看護師(外来、病棟)、臨床工学技士、薬剤師が集まる「PDワーキング」を月1回開催し、PDに関する情報を共有しています。特に最近では臨床工学技士がPD管理に参加したことで、自動腹膜透析(APD)装置の管理をはじめ、データのグラフ化や水分管理の提案など、大きな戦力になっています。木村先生は「PDを特別な治療と捉えるのではなく、スムーズに無理なく行える体制がつくれればよいと思っています。PDは医師に一極集中しがちな治療ですが、看護師や臨床工学技士と協働して管理できれば、これまでPDに携わっていなかった施設でも導入しやすくなるのではないでしょうか」と話します。

最後に、「PD治療を行いながら趣味や子育て、仕事など大切にしていることをできる限り実現し、その人らしい人生を送れるよう応援しています。1人で抱え込まず、医療者に遠慮なく話してください。患者さんの笑顔が私たちの活力の源です」と金井さん、「地域の先生から『腎臓病なら済生会』と紹介してもらえる病院を目指したい」と木村先生からメッセージをいただきました。

病院データ

群馬県済生会前橋病院

群馬県済生会前橋病院

  • 〒371-0821
  • 群馬県前橋市上新田町564-1
  • 電話:027-252-6011(代表)
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