なんでも相談室
2020年スマイル秋号
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
APDで治療をしていますが、除水量がマイナスの数値になることがあります。マイナスの数値とはどういう状態なのでしょうか?また、そのままにしていてもよいのでしょうか?
(78歳 男性 PD歴4ヵ月)
除水量がマイナスとは、注液した透析液量よりも排液量が少ないという状態です。除水量がマイナスになる要因としては、①残存腎機能が十分あって尿がたくさん出ている②腹膜透過性亢進により除水不良となっている③PDカテーテル機能不全(先端部の位置異常や閉塞)-などが挙げられます。①では体重は増加しませんので、現在の体重が適正であれば気にする必要はありません。②や③の場合は体重が増加しますので、②であれば腹膜炎の有無の検査およびAPD処方の見直し、③の場合はPDカテーテル位置の修正や閉塞解除といった処置が必要になります。
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医療法人聖比留会 厚南セントヒル病院
院長 内山 浩一 先生